……あのひとも、なのかな。[胸ポケットにそっとしまったカードに軽く触れて呟く。そうだったらやだなあ、と。ちょっと思ってしまったのは、ずっと感じている苦手意識のせい。なにがどう、というわけでもない。強いて言うなら、水を操る自分と、熱を操るという彼との力的な相性のせい……かも知れないが。とにかく、濃い藍色の翼は、遠い記憶とも相まって、近づきがたいものを少女に覚えさせていた。*]