……ダーフィト。
[それはやはり、無残としか言い得なかった。
首筋に、エレ同様、『人狼』とおもわしき傷跡を見つけ、鮮血に身を染めるダーフィトを視界に入れて、嘆くように呟く。
エレ程、取り乱さないことが、この状況に"慣れ"ているようで、自嘲の笑みが浮かんだ。
しかし頭の中は、パニック状態で。
そんなバカな。
だって…彼は……。
だって、彼は……強い、筈で……。
シメオンがカークを揺り起こそうとする様を横目に>>19、ペタリとダーフィトの胸の上に手を置く。
力強く脈打っている筈のそこは、シンと静まり、いつものような鋭い目も、柔らかく細める目も、固く閉ざされたままだった。
青白く、ぐたりと横たわる彼に、想いが溢れ出る。]