[竜が暫くの間瞑目すると、長く伸びた爪の下には、青銀色をした手のひら大の水晶のような塊が現れる。大きく輝くそれには力が、そして数千と生きた竜の念も込められている。]それは触媒にでも媒体にでも、手を加えれば呪具にもなるだろう。それもいらなきゃ誰かにやるか…まぁ宝石としての価値もあるだろうから売ってもいいさ。それも好きにお使い。今あたしがあんたにしてやれそうなのは、これくらいかねぇ…。[そう告げた竜は目をあける。だがあけたのは左目だけ。右目は閉じられたまま、開くことはもう*ない*]