[ゲルトは、ファミルと眠っているはずだ――昨日、最後に目にした光景を思い出し、寝室へと走る。そこにゲルトの姿はなく、ただ、涙を流すファミルの姿だけが双眸に焼きついた。「まねっこ」に関しては、深く追求してはならないと感じた為声を掛けることはなく、ただ…そっと涙を拭おうとしただろう。彼らはとても仲が良かったように感じていたし少なくとも、ファミルが嘘をいっているようには見えなかった]