せめて一回、飲み交わしてからこうしたかったなぁ
[冗談の言い合いとか、堅苦しい物言いを必要としないやり取りは楽しかった。
まるで友人と話しているようで、本当に。
今ではもう、先程向けられたような、殺意や憎しみの宿った視線しか向けられないかもしれない。>>348]
まぁ、俺はあんな目で見られんのがお似合いか
[自分の意思じゃなくても、散々人様の命を奪って来たんだから
口には出さず、心の中で思うに留めた。
部屋を出る際、彼が意識を失った気配を感じながら何もせず部屋を出てきた事が気がかりだけど
自分が気にするべき事じゃない、何事もなく目を覚ましてくれるといいのだが。
そうして長々と考え事をしながら第1エリアまで向かうつもりだったのに、メイン・サロンの目の前まで辿り着いてそのまま立ち止まってしまった。
もう大丈夫だと分かっているのに、なんとなく人と会っても問題ないか心配なのだ。
そんな男を心配するかのように、首に下げられた指輪が揺れていた。*]