―― とある街を騒がせた事件
[一人の子供が誘拐され、その数日後に遺体となって発見された。
焼けた棒状のもので貫かれたのだろう、殺害された少年の体には両眼、両腕、両足にぽっかり大きな穴が開いていたのだが……そんな状態の割に流れる血などはほとんどなく。
どのような思考によってそうすることを選んだのだろう、高く高く吊るされた遺体からは、差し込む西日が目に痛く……その姿は太陽に刺されたようにも見えた。
それから数日もしないうちに、殺害された少年の級友が誘拐されるという事が起き――…
攫われた少年の生存が絶望視された頃、2つの事件の犯人は捕らえられる事となった。
現場に踏み込んだ者は「その光景の異様さ」を語る。
見たこともない像を祀る祭壇、その周りには棺桶が円状に配置されていて、蓋を開ければ木乃伊を作ろうとして失敗したのだろう、部分部分腐敗したものが収められていた。]