[ 問いの形を取ったものの、
おそらく返答は決まっていると、ナネッテは踏んでいた。
「緊急事態発生! 緊急事態発生メェ―!」>>#1
続く切迫した声を受け取って。Yes,Sir.
緊急脱出口の重力および圧力の調整を行いながら、避難艇をオートモードで起動させる。
そして、左腕のリストバンド── 通信機の緊急招集ボタンを押して。
操縦士を避難艇へと配置しようと、指示を飛ばす。 ]
コックピットは、
完全自動操縦に切り替えました。
避難艇もオートモードで起動中です。
速やかに、船内誘導に移ってください。
[ そう言い残せば、ナネッテは席を立つ。
自動操縦になった以上、もはや操縦士としての仕事はここに無く。
誘導に加わろうと、思ってのこと。 ]*