― ベルサリス修道院跡 ― 落ち込んでる暇なんて、ないからな。 戻るまでの事、頼まれちまったし。[誰に、とは言わず、軽く返す。>>0:254出された父の名には、ほんの僅か苦笑も過った。亡き父は、15年前に国境を守り通したこの将の事を高く評価していた。「なすべきを正しくなす。それは、容易く出来る事ではない」と。……まあ、子供心には「妙だけど楽しいおっちゃん」という印象が強く焼き付いていて、今でもつい、おっちゃん呼ばわりしてしまうのだが]