─ 魔王城最深部 ─
……それだけ、この戦いを早く終わらせたいんだろう。
[>>12漆黒の偉丈夫の呟きめいた声に、応えとも独り言とも取れる程度の音を零す。
魔王の傍らに控えるその胸の内、少なからず侵入者達への怒りがあるだろうとは声を聞かずとも察せるもの。
もっとも、彼程の忠誠心を持ち合わせていない自分には察するくらいしか出来ない。
>>16玉座の陰に現れた道化師のようにせせら笑うことも出来ず、一度目を伏せ]
早く終わらせたいのは、こちらも同じことだ。
[勇者達が魔王を狙う限り、やっと手に入れた安住の地が脅かされ続けるのは確かだから。
自己的な理由であるが故にこそ揺らがぬ意志を乗せた視線を、今しがたまで此処にいた>>17道化師の傍に在る一行へと向けた]