客室→メイン・サロン
久しぶりだなぁ
[メインサロン向かう道中、男の大きく骨張った手が、シルバー・メリー号の緩やかな曲線美を撫でる
“懐かしい”
そのどこか暖かく優しい感情が男の頬を緩め、生まれ持った厳つさを多少なりとも和らげていただろうか]
もう5年…か。
[思いがけない歳月の早さに思わず苦笑を漏らしつつも、シルバー・メリー号で働いていた頃を懐かしく思い出す
そう、男は以前はシルバー・メリーで警備員をしていた。五年前に管理部に金髪の男が配属されてきた>>12のとは、ほぼ入れ違いになってしまっただろうか
憧れて入ったシルバー・メリー号。
男は体力が取得だが、学力的な意味においては決して頭の良い方ではないし、人から好かれるような所謂いけめんでは無い
更にいえば、十分な身辺調査が行われていたのなら、申請した出身地が実は虚偽である事もわかってしまったかもしれないが、一介の職員に対してそこまで行われていたかまでは定かではない
『あー…、君はなんか強そうだから警備担当ね』
そんな、お使いを頼むような、極めて軽い調子で警備員に配属されたのだったか
配属された先に居たのはNo Liquor No Lifeとでも言い出しそうな男>>10
男は勤務態度がよろしいとはお世話にも言えなかったが、そのためか彼とは妙に気が合って、たまに一緒に飲んでたような記憶もあるのだが、どうだっただろうか**