[影響が体の中心に及ぶことこそどうにか防いだものの、外傷である火傷自体が深刻なものだった。 指を動かせなくなるほど深くまで達したそれは、癒しの魔法が不得手な鬼族では、完治することが難しい。 かと言って、島外、特に周辺国の人間が、快く治療に応じてくれるとも思えなかった] 何やってんだアタシは……召集まであと何年もないってぇのに……。[傷の痛みもさることながら、不甲斐なさに涙が滲む。 助けを呼ぶことも出来ないまま、少女は岸壁にもたれ掛かった*]