― 川の辺 ―
……あ。
[見上げた空に、影ひとつ。>>19
三年前に連れてこられた、濃い藍色の翼の主]
今日も、かな。
[彼がそこで何をしているのか、問うた事はない。
聞いてはいけない、という、本能的な忌避感があるから。
以前、同じように毎日高い場所に登っていたひとがいた。
未だ幼い頃、そのひとに何をしているのか聞いて、答えてもらって。
……その一週間後、そのひとは都市からいなくなった。
世話をしてくれている女性──ここではシスター、と呼ばれている──に聞いたら、『神の使徒となった』と教えられた。
当時は、その意味は理解できなかった、けれど。
今は、何となく理解できているから]