[生涯で最後の酒のつもりだった
――ヤコブの秘蔵酒は3つ。そのうち2つも奴の腹の中だちくせう
ああ、でもそれでもいいと、すら
思ってしまうんだからしゃあないよなぁ
だからほら、はけっはくんだっ正直に
なんて、誰かが死ぬ前なら言えたのに
お前がそうである、と。頭で気づいていなければ
―――言えたのに]
飲むぞ、飲むぞ
[泣きたいくらいに。その真実は残酷だ
でも俺は知っている。真実は何時も残酷だと
とーさんが。かーさんが俺を置いて帰ってこなかったことや
フリーデルやアルビン、ヨアヒム、ゲルト、パメラ
ニコラスがもう、いないことや
オットーが人狼であったことも。シモンが偽物(うそつき)だったことも]
(でも今は。この酒位は
問いかけを発する時迄は。幼馴染として飲みたい)