― クラタエグス砦 ―[ どうやら父は、彼を「無関係の他人」として切り捨てたらしい事も、この兵士からそれとなく聞き出していた。処刑の断を下されなかったのは幸いだが、指揮官は当てが外れてすっかりご立腹だったらしい。とはいえ、連絡を取った事で、本当に将軍の息子である事は確認出来てしまい、不用意に処刑するのも躊躇われ…ぶっちゃけ、今の彼はすっかり持て余され気味の、面倒な捕虜となっていた ]