[その音は、>>17金剛に変じたクリフの腕に当てた牙が立てたものだったけれど。
『影』の背に隠されてしまって、見えぬこちらには神将の身に牙が立てられた様にしか思えなかった。
咄嗟駆け出して、錫杖を振り上げるまでは全くの無意識で。
『影』の背に振り下ろす直前、己が木気は彼の気を剋してしまう事を思い出した]
っ……木気吸收!
[振り下ろす錫杖の動きを、そのまま柄先を影の背に突き立てる勢いに変えて。
術を紡げば柄先から集められた『影』の身の内に在る木気によって、一枝残していた華が一回り大きく開き紅を深めた]