― 水の神徒の間 ―[術による移動も三度目となれば慣れる。出現した先に、敵意ある相手がいるだろうことも予測済みだ。カークと公子が揃ってぼやく頃には得物を構え、カークから呼びかけがあった時には、もう数歩駆け出していた。真っ先に標的としたのは、駆け出せば厄介となるだろう真っ白な牛。長く伸びた角は美しかったが、強力な武器であることには変わらない。]