――朝:廊下――
[フィオンの遺体に別れを告げ、彼から託された「頼み」>>64を遂行するため、私室への立ち入り許可を出す。
カスパルが彼と親しくしていたのは大勢の証言で明らかであったこともあり、逆に私物の整理を行うようにとの命令を貰った。
鍵を渡されて彼の部屋に向かう途中、立ち尽くしているカシムの姿>>21を廊下の先に見つければこちらも足を止めるが、何と声をかければいいかわからず視線だけを送る。
サシャの同室者。弟分。
……彼の心境はカスパルには測りかねる。]
カシム、顔色が悪い。
ちゃんと休め。…それから、そこは通行の邪魔だ。
[どきなさい、と努めて柔らかく声をかけたつもりだったが、彼はどう受け取っただろうか。]