[マリーの白魚のような手を取って。左手の薬指に嵌めたのは、白詰草で編んだ指輪だった] …――――初めてお前に逢った時から、好きだった…… 自分の過去を考えれば、 到底抱いてはいけない思いだと。 気持ちを殺して、お前を鳥籠から逃がす事だけが、 自分のなすべき事だと、判っていたはずなのにな…… 気が付けば、自分が色々と押さえられなくなっていて。 正直、マリーの記憶がずっと戻らなければ良いと、 そう願った事さえある。[それは、贖罪にも似た告白で]