ああ、洞窟を壊して、岩の下に埋もれられても困るだろう?
[>>23クックッと低い声で笑いながら、何でもない事のように竜も振る舞った。
だが洞窟の詳細な様子を耳にすると、考えるように沈黙して。]
ふむ。…タムリン。
[まだ傍に残っていた妖精を呼び、彼女に一端返しておいた布をローランドに渡す様に告げた。]
精霊達が織った、身を隠す事の出来るマントだ。
お前なら目くらましが使えるだろうから、不要かもしれないけれど。
術を使わずとも姿が消せるのは利点になるかもしれないね。
あんたに渡しておこう。いらなきゃ誰かにやりな。
それから、手をお出し。
上へ向けて。
[口を挟むより早く竜は告げるとその腕を伸ばし、ローランドの手に指一本、爪の先を置くようにして触れた。]