― 大通り ―
[逃げ出すように駆けている途中で、聞こえたのは馴染みのある声>>21]
あっ、ファミル……さん。
[常にはない不安に揺れる声で相手の名を呼びつつ、足を止める。
重そうな鞄を携えた様子に、何処かへ向かう途中かとも思ったが、どうかしたかと問われれば居ても立ってもいられぬように口を開いた]
あの、さっきそこに貼り紙が出ていたんです。
原因不明の病が流行ってる、って。
それと、突然眠ってしまった人もいるみたいで……それは治療のため、みたいなんですけど……。
[そうはいっても、それはそれで異常事態に変わりないとしか思えず。
困惑したように、やや伏せた視線を周囲へ彷徨わす]
ファミルさんは……もしかして、何処か向かわれる途中ですか?
[ファミルの方でも、何かあったのだろうかと。
ちらと鞄にも視線を向けつつ、こちらからも問う*]