[娘は朝食を食べ終えると食器を片付ける。
起きたときよりも雨音が小さくなっているのを確認するも、扉に向かう。
扉に何枚も打ち付けてある板。
嵐対策もあるが、何より噂された人狼を怖がって必要以上に打ち付けたのだ。
実際、本物の人狼の前ではこんなもの、意味などないかもしれないが。
板を一枚一枚確認し、外れかけている物がないことを確認すると安堵した。
外れている物がないということは、人狼はやって来ていないということだろう。
それらを一枚一枚外し、扉を開けると多少雨は弱くなっていた。
これなら外に出ても大丈夫だろう。
雨合羽を羽織った娘は嵐で飛んでいった物はないか、雨漏りしている箇所はないかを調べるために外へ出た。]