― サロン ―[おっとりとグラスを口元に運んでいたが、血を分けた青年の声が届けば、緩やかに視線を流し>>5] ……ええ、その心算だけど。 今宵は貴方に、運が向いてるのじゃなくて? 何度目かの正直で、心願叶う日が来たのかもね。 ――ねぇ、シメオン?[彼にとって誰より目障りな存在が、手を下さずとも失せる好機だと仄めかし、薄く笑んだ]