― 竜郷・深海 ―[それは、力の流れだった。 初めは、血潮の熱を思わせる紅色の。 次いで真珠の白を思わせる、軽やかで異質な魔力が身に届く>>8。 それは遠い昔の記憶にある、海の外の世界で触れた風のそよぎを思わせて] わたしを、……呼んでいる……?[声は、届いていた。 その『舞闘』の存在も、知らぬわけではない――自らには縁遠い世界の話と思っていただけで][幾らかの逡巡の後。 意を決したように、蛇竜は世界の壁の向こう側へ手を伸ばす。 自らを呼ぶ力の源を求めるように]