― 回想 ―[それは6年前の事。 まだBランクだった頃の彼女は、やはり仕事でこの場所にいた。 単独で動いておれば、耳に飛び込んできたのは、悲痛に思える誰かの声>>11]誰……?誰かいるのっ!?[呼びかけながらそちらへ駆けて。角を曲がったその先に見えたのは、憑依体と、襲われる誰かが風の刃を放つ姿。けども、次の瞬間には、風の刃の主は弾き飛ばされて。 ぞわり、嫌な感覚が蘇りそうになるも、右の手の自動拳銃が、憑依体の左腕を、次いで頭を正確に撃ち抜いた。]