[変容していく姿に、碧が厳しさを帯びる。人のように立つけれど人ではない、狼を思わせる姿] ……そんなになってまで……。[呪歌《うた》を、魔法を、排したいのか、と。問いかけるような余裕は、なかった。仮にあったとしても、答えはなかったような気がする――というのは、さておき。思考に囚われた刹那は、十分すぎるほどの隙。咆哮と共に飛び掛かってきた狼の腕が伸び、爪が振るわれる]