[ひとところに留まらない風のように戦場を縦横に動いている中、大盾に乗せて運び出される姿を見る。>>11古代の王子の葬礼をもって送られるその身体は朱に染まり、すでに命無きことが知れた。目を閉じて静かなその横顔は、あの日以来、用もないのに幾度となく見に行った男のそれ。] ダーフィト──…[面と向ってその名を呼ぶこともついにないまま。]