[ 『るぅぅぅぅ』と、薄紫の竜が歌う。その姿を一瞥して、口角を上げ、オズワルドは、まばたきひとつ、銀の龍眼と黄玉の瞳を目覚めさせる。
そして、手にした龍牙の穂先を『虚無』へとまっすぐに向けて構え、一歩前へと足を踏み出した ]
行くぞ。
[ 後ろではクラリッサが、愛銃を構え、トーマスとシルキーも、各々のスタイルで『虚無』と対峙しているだろう ]
うおおおおっ!
[ 駆け出す男の放つ気合が、命の竜の歌と重なり、龍の牙が『虚無』を貫かんと迫る。
明白な殺気に、唸りをあげて暗黒は宙へと伸び上がり、襲い来るものを呑み込もうと覆い被さって来た ]