[立ち上がり、スコップを拾い上げる。さくり、ざくりと雪を掬い上げ、アルビンの身体を、飛び散った血を全て雪の下へと隠す。] …………はぁ……。[溜息のように息を吐く。そして、ただの白い雪の山に背を向け、橇を引いて一人で歩き出す。よほどの不運が無い限り、春になるまでアルビンが発見される事は無いだろう。向かうのは教会でも宿でもない。教会と自宅の丁度間辺りまで来ると立ち止まり、まだ血に汚れているスコップを掴む。]