[そっとサシャを寝台に横たえながら、末期の痙攣さえ 逃すまいとするように強く抱き締める。 いっそのこと、縋りつくように。 ……やがてサシャが動かなくなったなら。 光の失せた新緑の瞳をそっと閉じさせ、 微かに寝台を軋ませながら腹部に牙を沈めていく。 甘い血肉を幾人も味わったせいか、随分と変身が自在になった。 月明かりの元に召された彼女たちは無に帰した訳じゃないのだと、身をもって感じる。月は、あまりにも無慈悲に美しかった]