― 湖畔 ―[ 前方に認めた影はふたつ。親娘であろうか──と思ったのは、二人の間の空気が寛いだものに感じられたからだ。リュゲナーの無冠の王子が自ら名乗るのを聞き、その率直さを改めて感じる。もったいなくも紹介を受けて、黙礼した。*]