[その後の問いかけに、カスパルは僅かに瞳を揺らす。
フィオンがドロシーに残した、狼化病の進行を止める薬。>>2:99
軍の研究が進んでいるのならば、進行をより強力に抑制する、あるいは発症しても害なす存在にはならない――
そんな薬も、開発される、されているのではないか。
期待を抱いてしまった。
今度こそ家族の元に居れるのではないかと。
そんな夢は、大切だった存在をこの手にかける悪夢を見た日から捨て去ってたはずだったのに。]
俺の命は、いつでもあなたのために捧げる。
それが、あなたの望みに必要ならば。
要らぬというまで、俺の全てはあなたのものだ。
[最優先事項は代わりはしないから、その言葉はきっぱりりと伝える。
死にたいとは言わない。生きたいとも言わない。
彼女の望みを叶えるのに必要ならば、死ぬ事に躊躇いはなかった。]
――……人目に、気をつけて。
[守るなと言われたが忠告ならば良いだろう。
立ち去る彼女へそう告げて、見送った。*]