ルート。
其れは太刀を使う。
闇と月明かりが味方をするぞ、目だけに頼るな。
[言い置いて、向かい合う彼らに背を向けた。
数尺向こうで揺れる、金の髪。>>16
戦に性別を持ち込むような生ぬるい性では無い。幼子でも無い彼女ならば、覚悟の上であろう。なれば。]
では。──『玲桜の燭』、ナネッテ・ナイトレイ。
我が名はガートルート。
四君子が一華、雷華・ガートルート・ミョルニル。
[ざわりと空気が鳴いた。
広がる赤灼の髪に、パリパリと稲妻が走る。
緋色の獣の右手が、首から下げた黒鉄のペンダントへと伸びた。
何かを象った、無骨な鉄の、塊。
それが────大きく、長く、形を変えていく。]