[跪いたディークの体躯が人型から四足へと変じ。赤錆色の眸を獰猛な怒りに輝かせた、猫科の猛獣が出現する。斑点に覆われた背がしなやかにうねり、鋭い爪を備えた四肢が地を踏みしめて、仇讐たる血親へと向かう。その後ろでコンラートは、朧に白い夜光の面を夜の大気に晒し、全く無造作に立っていた。恐ろしく酷薄な眼差しは憤怒ですらない、真正の無情を示して、目の前の卑小な男を眺めていた。*]