[もし去り際に、誰かが『本物のイェンスはどうした』と聞いたなら、白虚星は顔を邪悪に歪め、こう答えるだろう] ああ、僕が食べた。 やせっぽちで小さくて、体は食べ応えは無かったけれど ……そうだね。 兄さんに助けを求めながら食われていく絶望に満ちた顔は、たまらなく美味しかったよ。 もしかしたら、指の一本くらいは残っているかもね。[と。そう答えながらぺろりと唇を舐める舌の色は、妙に赤くみえた**]