―0日目・PM8:00・中庭―
[夜の闇の中、久々の酒のせいか普段より少し軽快な、浮くような足取りで中庭を歩く。立食パーティーの終わりまではまだ随分と時間があったが、いつもの"気まぐれ"が顔を出したので一人抜け出して来たのだ。
噴水横の電灯に近付いて、一層濃く地面に落ちる己の影に優しく声を掛ける]
――ロゼ、おいで。
送ってくれたから、ご褒美をあげる。
[呼び掛けに低い唸り声が返り、ずるりと闇から這い出すよう現れたのは自分をこの施設まで送り届けた魔獣。>>0:7
噴水の縁へと腰かけて獣の口へ魔力で作った花を入れてやれば、そのまま頭も撫でて]
……僕は好きに使役して、お前は対価を貰う。
得をするから一緒に居る。
人間同士もそうだと思ってたのに。不思議だね。
[そう言うと真っ白な巨躯を抱き締める。夜風に少し冷えた身体に、熱いくらいの体温が心地良かった]