人狼物語−薔薇の下国

525 ルー・ガルー戦記 11 〜カーマルグ半島帰属戦〜


王国軍部隊長 セルウィン

[足が使えぬ分体を支えてきた兄の手は、存外無骨だ。
 応えるように差し出したこちらの手は何故か交わされ、そのまま片腕で抱き寄せられる。
 思いっ切り舌打ちしてみせたが、突き放すことはできなかった]

 くだらん心配はするな。
 お前はちゃんと、家を守ることに集中しろ。
 その頭、筋肉より鈍らせたら承知しないからな!

[説教のような口調に、兄は相変わらずだな、と言って笑った。
 子供の頃から何度も支えてきた兄の体は、重みを預けることはないまま、けれど名残惜しそうに離れていった*]

― 回想・了 ―

(23) 2019/11/01(Fri) 23:06:19

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