[ 『…―――――隊に戻って来て欲しいんです。』つい先日、かつての自分が率いていた隊の部下から、そんなことを頼まれたのを思い出す。事故で友人を失い、自身も傷を負って以来、利き腕に軽い麻痺と視力の低下で、剣や弓を扱うことができなくなってしまい、兵器開発部の方へと所属を回されたのである。―――あれから数年。]確かに、あの時の傷はもう完治しているのだがな。[ただ今まで通りこの島の鎖国が続き、害獣退治や街の治安を維持するだけなら、わざわざ自分が隊に戻る必要もないだろうと思う。]