― そして合流 ―
[あちこちに枯れた枝などをつけつつ、しれっと最後尾に合流してきた]
[真っ先に金色の眸が探すのは、おそらく一番心配していただろう弟のイェンスではなく、フレデリカの姿である]
『マスター・フレデリカ。
接近していた魔物を祓いました』
[表情も口も動かず、肩に乗せていただいた水晶玉がそんな音を出す。
もう、肉声を出さなくなって久しい。
そう、それは――生死を分かつ怪我を負った日から。
ヴェルナーという名前の何かは残ったが、それはヴェルナーという名の傭兵の死でもあったのかもしれない。
あれから眉一つ動かさず。ただ、マスターと認めたものの命令を聞く、妖星の脅威を払うためだけの兵器となった。
幸い、フレデリカが道理を弁えたものだからこそ、調和やら何やらを学習、するようにはなったが。
それでも生前の魔物駆逐を掲げていた血気盛んな青年よりも、人間とのコミュニケーションがずっと困難になったのはいうまでもない]