─0日目・AM11:00・エントランス─
…ではレオンさんとお呼びしますね。はい、早く終わらせちゃいましょうか。
[“こういうのは長引かせるだけ面倒ですし“と係の人間に聞こえないように零しながら床に置いた鞄を持ちあげ、カウンターへと向かう。予め記入してきた書類を提出し、数度受け答えをすれば難なく受付が終わり、邪魔にならぬようにと列から抜けてエントランスの壁際へと移動する]
……んー、…。
[彼を待つ義理はない、ないのだが。彼>>19の人懐こい笑みに悪い印象を抱くはずもなく、第一に顔見知りのいない空間だ。彼のような存在とコネを持つのは悪いことではないだろう。
…とはいえ、そんな小難しいことを並べてはいるものの初めから僕の中の答えなんてひとつなのだ。──“この合宿で友達のひとりやふたり作れるかもしれない!”…実家の目のないこの場所の開放感に浮かれてるらしい緩んだ口元を添えた手でそっと隠した]