多勢に無勢、 あまつさえ魔術士どもは、あるはずのない場所に現れた船団に気を取られています。 我らも、彼奴らの度肝を抜いてやりましょう![ 不敵な笑みを浮かべるのは、ドレープとレースを多用した、おおよそ実用的とは言いかねるドレッシーな軍服もどきを着た青年だった。その精悍な腕の指し示すまま、帝国軍の特殊部隊が次々と湖に滑り込む。《ウル》を服用した彼らは、常人の何倍もの間、呼吸を止めていられる。そうして、湖底からロンリコへと攻撃を仕掛ける手筈だ。]