― 地下室 ―
[声>>15に応えるように魔導書が、魔法陣が、強い赤光――
目も眩む発光、それが収まり始めると、そこには一体の人型の生命体が存在していた。
淡い光に浮かぶその姿はひどく幻想的で、生身の人間とは思えない。
年の頃は15〜16才だろうか。亜麻色の髪が僅かに漆黒に艶めく。
飴色の瞳の奥は全てを見透かすように切れ長で、美しいというよりは可憐な顔立ちをしていた。
その体は女性らしい柔らかさを帯びているけれど、どこか未完成という雰囲気で成人を前にした少女だけが持つ特有の儚い美しさがあった。
しかし、その身に纏う気配によりそれは美貌へと昇華している。]
――、―――。
[背には漆黒の翼を持ち、着衣は身に付けていない。
眩く輝くような白い肌が、黒と赤の混じった妖気に包まれているのがわかる。
その事に何か不満げに呟くと、その身が妖気を覆い、紅の衣服が出現した。]