[第一印象は、随分とにこやかな教官だな、ということ。>>20
所属する部隊を考えればもっと獰猛な人を予想をしていたのだけれど、人好きな笑みを浮かべながら近づかれて、それでも敬礼の姿は崩さずにいたのだけれど―――]
―――へ……?
[思わず、素っ頓狂な声が上がってしまう。
彼に腰を引き寄せられればバランスを崩し、彼に体がぶつかって。
その刹那な時間に彼が自分の匂いまで堪能したなど気づけない]
な……なにを……
はぁ………?
え、ええ……!?
[彼がいうことに、返す自分の言葉はいちいち間抜けだ。魅力的だと言われたことも、ゲオルグと呼べと言われたことも、リラックス、と言われたことも。自分の考えの外過ぎて、理解がついていかない。
これが―――空挺部隊の流儀なのだろうか。
今も彼の手が自分のお尻を触っているし……。
ああ、そうか。これは緊張している自分を気遣った、彼なりのジョークなのだろうと納得すると、ふ、と頬を緩めた]
それでは、ゲオルグさん、よろしくお願いします。
[こっちへおいで、と言われれば、さすがに連れ立って歩くのは上官に対して申し訳なく。
そう思うのは徹底して体に刷り込まれている軍隊の教えのせいなのだけれど、彼の後ろに回り彼の後に控えるようについて行った]