[そんな訳で、六歳にして路頭に迷う羽目になった自分達は、なるべく人目に付かない場所を転々とし続けた。
各自が持つ力を活かし、助け合い生きてきた。
長の元へ迷い無く突き出した両親達なんかよりもよっぽど信用の置ける、それこそ『兄弟』の様に。
しかしそんな生活にも慣れ、余裕が出てきた頃、再び悲劇は訪れた。
何処から話を聞き付けたのか、"有翼種の保護"の申し出があったのだ。
更々保護されるつもりなど無かった、外に出られないなんて御免だった。
しかし相手は有無を言わせず自分を『保護』した。
方法はわからないが、申し出の数日後、突然意識と記憶が途切れて次の瞬間には籠の中だった事だけを覚えている。]
俺に何かあったら、きっと"とりかごの都市"だ。
もしそうなっても二人は追って来るな、絶対に。
どれだけ時間がかかったって、いつか戻る。
[その捕まる前日に二人へそう告げたのは、今思えば虫の知らせだったのだろう。]