― 中央戦場 ―ツッ……。[左足は鐙から外しての騎乗戦闘。いつものように軽くは身体が扱えない。一度目はそれでも容易に流せた。二度目は同じ腕を浅く斬られてからになった。ただ痛みは薬の為に鈍く、上げた腕を遅滞なく振り下ろした。公国兵士が再び緋色の花を咲かせた時。胸がズキリとした。この痛みは薬では和らがない。クと息を飲み込んで]