そりゃあのう。 わざわざ儂の前まで来て、一緒に来いと言われてはな。 儂だって、なにかしてやりたいと思うじゃろう?[薄青い世界の中、元元帥の身体はだいぶ薄れてある。手元のウイスキーの銘柄は"Pionnier《先駆ける者》"。あいつ《・・・》が好きだった酒だ。「我が友へ」と書かれたものでもある。>>4:1] お前のところには行けんかもしれんが、構わんじゃろう? 儂は、あの艦《ふね》が好きなんじゃよ。 あれと一緒に朽ちていくのも、悪くは無かろう?[誰に向けて話しかけているわけでもない。ただ、グラスはふたつ置かれていた。]