[近付いて行くより先に、白鷹がその肩に止まろうとしていた事だろう。
腕を伸ばしても届かない距離を保って、俺は右手の平を差し出した。]
見捨てない、と。
救うのだ、と言ったウェルの事だ。
…… それでも、俺は。
貴公の、その国の心が揺らぐのを、
“今でも未だ” 期待しているのだ。
[それは宛ら、社交場へ
“外” を飛んでみるつもりはないか、
いつか
[懲りない事だと、思う。
今の俺は鷹二羽以外は全くの丸腰だったものだから、兵を呼んで捕らえさせる事も容易いだろうに、何故こんな事をしているのかと思わないではないのだが。
…しないでは、いれなかったのだ。]*