[目覚めれば、待っているのは過酷な現実だ。
人狼の脅威が本当に去ったのかは分からないし、
もし生き残れたとしても、これまでのような生活が成り立つかさえ不確かだ。
だが、それでもリゼットは生きていく。
自分の生が、他者の屍の上に成り立っていることを知っているから。
もし、諦めてしまったら姉の死は虚しいものとなってしまうから。
生きて生きて、どこまでも生き抜けば。
もしかしたら――いつの日にか己の罪が赦される時が訪れるかも知れない。
そんな小さな望みを灯火にして、いつか額に死の影が降りるその日まで、リゼットは足掻き続けるのだ**]