[おもむろに手馴れた様子で後始末の続きに取り掛かる。いつもこうして証拠を消しているのだと見せ付けるように。]
こうしてあなたに見られて、正直まずったとの思いはありますけどね。でも、悪くはないとは考えていますよ。…だって僕は、あなたに直接言いたいことがありましたから。
[そう告げると、シモンに向かって場違いなくらい鮮やかな笑みを見せる。]
目の前で大切な人を奪われるのは、凄く辛いだろう?
僕はね、リーザが動かなくなったクララさんに二度目の銃を発射したときから、リーザを殺したくて殺したくて、たまらなかったんだよ!
[普段ならば年上には絶対言わない言葉使いで告げる。シモンの怒りを、憎しみを煽るために。他の誰よりも自分にこそリーザを手に掛ける理由があるのだと主張するように。
そのあとは黙って全ての作業を終わらせると、シモンを残して静かにその場を去った。
例えシモンが何と答えても、この場では反論しないつもりだ。続きは昼、談話室でと告げるようにただ微笑むだけだろう。]