[それでも彼らが恐慌に陥らず逃亡もしないのは、戦士となるべく生まれ育ったという自負と、彼らの先頭で剣を振るう元首の存在があったからこそだ。槍ではなく剣を持つ元首は、誰よりも敵に近い場所にいる。繰り出される槍を払い、柄を踏みつけ、盾の上から斬りつけて、防御が下がった隙に剣を突きこむ。それを周囲から狙われながら、やってのけた。幼い時から周囲は敵ばかり、いつだって敵の方が数が多かった。そんな中で退かず媚びず戦い続けてきた結実がここにある。]