― 玉座の間 ―
[ 玉座が空になってから
一体どれほど過ぎたのだろうと
先王が玉座に在った時を思い返す。
…既に
とても昔のことのような気がした。 ]
少し性急に過ぎるのではありませんか?
[ 空の玉座に侍る人影。
隣国――遥か南方の密偵
つまるところ画家と
本国とを結ぶパイプ役のような。 ]
まだ…
…どちらの王子も生きておいでだと言うのに。
[ 往生際が悪いと言われれば
言い返す言葉はない。
ラメールは致命的に揺らいだ。
幾ら誇り>>3:241を掲げて見せても
もう知れてしまったのだから。 ]